日本では「三猿」としてその名を知られていますが、実は元来、4匹目の猿がいたと云われています。と言うのも三猿の思想は中国から日本に伝わった思想であり、中国では「四匹の猿」で1つの意味合いを成しています。
つまり、中国では「三猿」ではなく「四猿(しざる)」と言うそうです。そして、影向寺にも三猿ではなく四猿がおります。
諸説ありますが、まず
◎インドのラーマーヤナ説話(古代インドの大長編叙事詩。ヒンドゥー教の聖典の一つ)より、
主人公ラーマの本体たるヴィシュヌ神(ヒンドゥー教の神)の転化で、四猿はハヌマーン(インド神話におけるヴァナラの1人)変形だと言われています。
◎孔子の論語 ※孔子とは、釈迦、キリストと並んで世界の三聖人と言われる方です。
1、礼節にそむくことに注目してはいけない 2、礼節にそむくことに耳を傾けてはいけない
3、礼節にそむくことを言ってはいけない 4、礼節にそむくことを行ってはいけない
と四つの戒めがあり、四猿はここからきているという説があります。四匹の猿は、それぞれ目、耳、口、股間をそれぞれ隠しています。目-見ざる/耳-言わざる/口-言わざる/股間-せざる
珍しい四猿をどうぞご覧にいらしてください。